可能性の物語を想像する、高揚と緊張と対峙する(FORECASTS from EVELA|2020-06-09)

EVELA編集部が気になるトピックを取り上げる、FORECASTS from EVELA。芸術の世界でもオンライン上で鑑賞を楽しめるもの、リアルに対峙する体験を楽しめるもの、2つの価値が並行して進行していきそうです。今回は、オンライン上で表現される可能性の物語の体験と、物理的に芸術作品と対峙する体験をもたらす芸術祭、2つをセットでご紹介します。

6月1日~6月30日|「Alter-narratives -ありえたかもしれない物語-」展


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東京藝術大学大学院の国際芸術創造研究科では2017年より、アートプロデュース(キュレーション)を専攻する生徒たちが実践研究として展覧会の企画運営を行っている。長谷川祐子教授によって監修されるこのプロジェクトが、今年はオンラインでの展開に。国際色ゆたかな5名の生徒が、絵画や映像、インスタレーションなど様々な表現を用いる8名の作家をキュレーションした。作家のなかには韓国の人気バンド「Hyukoh」のアートワークを手掛けるサンホ・ノも。また、参加作家のインタビュー配信や、映像作品の24時間ライブストリーミングなど、オンラインならではの試みも見どころだ。過去・現在・未来にまつわる物語を再編成する、というコンセプトであるこの展示を鑑賞しながら、現実の不確かさを静かに眺めてみるのも、ステイホームでできることのひとつかもしれない。(RIO HOMMA)

7月17日~10月11日|ヨコハマトリエンナーレ2020「AFTERGLOWー光の破片をつかまえる」

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ヨコハマトリエンナーレ2020 「AFTERGLOW-光の破片をつかまえる」が7月17日から10月11日の会期で開催されることが決定した。COVID-19の影響で、当初の開幕予定日だった7月3日から2週間延期される形となった。また、チケットは日時指定の事前予約制となる。6回目の開催となる今回のヨコハマトリエンナーレは、アーティスティック・ディレクターとしてインドのラクス・メディア・コレクティブが参加し、総勢65組のアーティストによる作品が展示される。芸術作品と物理的に対峙する高揚感、緊張感を感じ、芸術と新たに訪れようとしている時代について考えを巡らす体験になるだろう。(MASAKI MIYAHARA)